造形村 1/48 F-4E|油絵具でやる退色表現

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エアークラフトモデル

最終的なウェザリングは油絵具を使います。
塗り重ねが効くのでその下の塗装を生かすことができるからです。

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ウェザリングの考え方

航空機というのは非常に過酷な環境下での運用となるため、風雨や太陽光による塗装の劣化はかなり生じます。
これを塗装で表現するのがウェザリングとなるのです。

イメージ的には積み重なった汚れを塗装を塗り重ねることで表現するものになります。

Bitly

ここまで最終的な仕上がりを考えながらサフェーサーから塗り上げてきました。
オキサイドレッドのサフェーサーを塗りホワイトで雲状迷彩(?)を施してパネルラインにエアブラシでフラットブラックを細く塗りプレシェーディングとしました。

機体色はモジュレーションで使うように各色濃中淡でパネルライン中心は淡く色を入れ、その上からスポンジマスキングで更に淡くした色を塗りました。

そしてスミ入れを行い今回のフィルタリングになります。

機体色を分解

さし色という言葉をご存知でしょうか?
たとえば一色のみで塗られた絵があるとします。
一色のみであれば何の変哲もない色紙と変わらないのですが、その色に見えるか見えないかのわずかな別の色がところどころに見えているような状況、つまり色をところどころ塗り重ねた状況を想像すると、それは絵画となります。

むろんベースになっている色に釣り合っている色を考えなくてはいけません。
しかしプラモデルにおいてそこまでアーティスティックなことはしない方が良いでしょう。

わたしの場合はその色を構成している原色を考えます。
色の三原色という言葉を聞いたことがあると思います。

例えば緑ならば青と黄色の混合色ですね。
今回の造形村のF-4Eで塗装した迷彩色のグリーンにはわずかに赤も入っているはずです。

もちろん実機ではほとんどあり得ない状況だと思います。
この辺りはプラモデル的演出なんでしょうね。

使用する画材

基本的な色としてウルトラマリンディープとバーントアンバーで黒、つまり明度の調整を考えます。
ちなみにこの色のバランス次第で汚れにも利用できる色です。
フィルタリングで使う場合は混色しないで使っています。

緑の方はこれらにイエローオーカー、ピュアレッドを使っています。
イエローオーカーという色は言ってみれば黄土色になります。
パーマネントイエローなど通常の黄色は少し使っただけで全体が黄色くなりすぎるほど強い色です。
調整が難しいのでイエローオーカーの方が使いやすいという事です。

茶の方はイエローオーカー、ピュアレッド、パーマネントホワイトを使用します。

ちなみに胴体下面の白に関してはわたし自身の考えでピュアレッド、ウルトラマリンディープのみを使っています。

油絵具に使うぺトロールという揮発性油も必要になります。

筆は普段使っているプラモデル用でいいでしょう。少し変わった筆で絵画用のファンブラシというのがあった方が良いかもしれませんがなくても大丈夫です。

絵具を乗せるために紙パレットがあればいいのですが牛乳パックの裏側でも代用はできます。
他に綿棒やキッチンペーパーなどあった方が良いと思います。

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フィルタリングの実践

まずは各色混ぜないでつまようじの先でキットに点々と乗せていきます。
問題はその量になります。これは覚えるしかないでしょう。
イエローオーカーが多すぎれば黄色い表面になってしまいますし、ピュアレッドが多ければ真っ赤になってしまいます。
最初は少ないところからはじめた方が無難ですね。

次に筆(平筆かあるいはファンブラシ)をぺトロールで湿らせて、キットに乗せた絵具をこするようにして混ぜていきます。


この時、ウェザリングをする時と同じように気流の流れ、重力の方向など考えて一方向に筆を動かします。
また完全には混ぜてしまわないのもコツといえます。

うっすらといろんな色の線が出ている状況になったら、絵具が乾ききる直前に乾いた平筆でさらにこすることにより、ソフトな感じなっていくと思います。
平筆が湿っている場合はツールクリーナーで洗浄して、ドライヤー(冷風)で乾かしましょう。

このフィルタリングの作業でどの程度の色を残すかは作り手のセンスだと思いますが、見えるか見えないかの狭間が良いとは思います。
消しすぎては意味がないし、残しすぎるのは明らかにおかしい。
おかしいと感じたら、まだ修正はできますからやり直してみましょう。

場合によっては綿棒やキッチンペーパーを使ってもいいと思います。

塗り重ね

フィルタリングが済んだら、この上に退色表現を重ねます。
もちろんこの段階でもう少し黒っぽい汚しを入れたいという事あればそれも可能です。

ただ油絵具は塗り重ねが効きますが、乾燥に時間がかかるのが欠点だと思います。
今回比率的にはぺトロールの量が圧倒的に多く絵具は微小なので乾燥は早い方なのですが、すぐに塗り重ねてしまうと前に行ったフィルタリングが消えてしまいます。

私の場合は翌日にこの作業を行いました。
もし冬場だったらもう一日置いておいた方が良いのかもしれません。

油絵具で行う退色表現

以前機体色の塗装のところにも記述しましたが退色というのは所謂チョーキング、塗装が太陽光で劣化して白く粉を吹いた状況を言います。
このチョーキングは実機でも顕著に出ます。

機体塗装の時に退色としてスポンジマスキングで明度を上げた色をところどころ塗ったのですが、やはり少しイメージと違います。
ですから違うことをやっていこうと思います。

使うのはパーマネントホワイトと今回のような迷彩色の場合はイエローオーカー。
これを先ほどのフィルタリングの時のようにつまようじを使って機体に乗せていきます。

次にぼかし筆などを使い基本的な模様を描いていきます。
この模様をぺトロールを使って調整していくのです。
ぺトロールで溶け出た絵具のぼけ具合を利用する時もあります。

そしてまた乾燥直前の状態で乾いた平筆でこするようにぼかします。
この場合気流の流れる方向は気にしなくていいでしょう。

もちろんこのチョーキング自体を重ねることは可能です。

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