ボディ色を塗り終えたら一晩ほど乾燥させてクリアを塗ります。
フィニッシャーズ オートクリア
ところでタミヤの缶スプレーはクレオスのカラーと異なりガイアやクレオスのクリアとは相性が悪いという話を聞きました。
前に作ったタミヤのマスタングGT4では缶スプレーから出したジャーマングレーの上からガイアのEXクリアを塗りました。
あの時は私のミスで洗剤成分が起こしたエラー以外は特に問題は起きませんでしたが、おそらくそれは1週間ほど放置してあったからだと思います。
実際にどうなるのかは謎ですがリスクがあるのは避けたいので、相性がいいとされるフィニッシャーズのオートクリアを使用します。
今回は中研ぎを行うためにこのタイミングで使うクリアは1:1の濃度で調整して厚塗りをしていきます。
使用するエアブラシは0.5mmのものが塗装ムラの防止になると思います。
クリア塗装を行う時、最初の1回目は砂吹きを行います。
少し離したところから塗料をふわっとかける塗り方で、車体色に薄いバリア―をかけてやることにより、この後のクリア塗装によって車体色が流れてしまう等のリスクを避ける目的があります。
乾燥させて本塗装となります。
うたい文句の通り乾燥は確かにかなり早く感じました。
本塗装は砂ぶきから徐々にエアブラシとキットの間隔を狭めていき、またエアブラシを動かす速度、ニードルの引き量など調整して徐々に厚塗りをしていきます。
ここでの注意点としてエッジに関してはできるだけ厚く塗装しておきたいので、まずエッジのみ細吹きで塗装を行い、その後エッジを含めた全体を塗装します。
こうすることでエッジに関してはほぼ2倍の塗膜が確保できるかと思います。
クリアを1回塗るごとに一晩おいておくといった方もいるようですが、私の場合はホコリ付着防止のため塗装ブース上で10分程度置いて、その後乾燥ブースで1時間ほど温めています。
私の使用している乾燥用の食器乾燥機はエコモード付きで低温設定ができるとはいえ、夏場のこの時期は結構な温度に上がってしまうので、フードを半分ほど開けて使用しています。
クリア塗装は間に乾燥時間を入れながら4回ほど塗り重ねました。
この後二日ほど乾燥時間を置きます。
中研ぎ
中研ぎというのはクリア塗装の中間に水研ぎを行い、ある程度塗装面を平滑にしておく作業を言います。
2回目のクリア塗装をきれいな平らに塗り上げることができれば、仕上げの研ぎ出しが非常に楽になるはずです。
人によっては研ぎ出しをしないという人もいるようですね。
私の場合中研ぎは1500番の耐水ペーパーと3Mのマイクロファインを使用しています。
ボディに取り付けておいたボンネットとその後ろのパネルは、僅かな段差があります。
水研ぎの際に段差のエッジを削ってしまわないように、これらのパーツはボディから外して磨きます。
塗装のリカバリー
今回色のブレを避けるために別パーツを取り付けて塗装したのですが、部品同士の間に隙間がない場合クリアが両方にかかってしまう、つまりは橋渡し状になってしまったクリアが割れてしまいます。
まさに今回その状況に陥りました。少し浮かせて固定すればよかった。
ただこの場合剥がれるのはわずかな幅なので筆塗りでタッチアップは可能です。
筆塗りはエアブラシに比べて塗膜が厚くなりますから、研ぎ出しで平滑にすることができます。
ウィンドーモールがない理由
中研ぎにしろ仕上げの研ぎ出しにしろ、逆エッジと言われている入隅の部分は非常に磨きにくいものです。
逆エッジという言葉が正しいかどうかはわかりません。確かスノボ用語だったと思うのですが。。
このキットはウィンドモールが別パーツとなっているので、いつもよりも楽に研ぎ出しができますね。
当然仕上がりも綺麗なものになります。
案外この部分、研ぎ出しという作業に向けてこういった設計になっているのかもしれません。
確かにマスキングの手間も省けているので、一石二鳥ということですね。
しかしこの磨きにくい入隅が皆無というわけではありません。
ドアにはクランク状に折れ曲がったプレスラインが存在しています。
耐水ペーパーを曲げて使っても、どうしてもわずかな幅で磨き残しは出てしまいます。
あまり追いかけるとその上部でクリア層がどんどん薄くなっていってしまうので、そこそこのところで妥協するしかないでしょう。
中研ぎの注意点
それから中研ぎの注意点としては、やはりエッジはできるだけ磨かないように。
なぜならば角の部分は塗料が両側に流れていってしまうので極端に塗膜が薄いからです。
そこにヤスリを当ててしまうと、すぐに下地が出てきてしまいます。
気をつけて磨いていてもサフェーサーが「こんにちは」と出てしまうことはあります。
意外に発生しやすいのが明確な角になっていないところですね。
最近の車ではフェンダー周りなのですが、このフェアレディ240ZGでは車体横に走るプレスラインや、ボンネット状の膨らみ(バルジ)などがそれにあたります。
また曲面になった面を磨く時は研磨スポンジの方が磨きやすいかもしれません。
もし耐水ペーパーで磨くのであれば、できるだけ綺麗な耐水ペーパーを丸めて当てれば、面に追従して楽に磨けると思います。
どこまで磨けばいいのか?
1回目のクリア塗装はかなり厚くなっているはずなので、全体がやすり傷で白く曇っている状況が好ましいと思います。
磨いていくと艶のある磨き残しがどんどん少なくなっていくはずなので、そういったところを狙って研いでいくと良いでしょう。
1500番耐水ペーパーの研ぎ傷はこの後クリア塗装で埋まります。
それを考えると多少の研ぎ残しがあっても良いような気もしますが、この後塗装するクリアは非常に薄い希釈になるので、できるだけフラットにしておいた方が次の研ぎ出しは楽になるはずです。
中研ぎ後のクリア塗装
フィニッシャーズのオートクリアに付いてきた説明書(というかシール)を読むと、厚塗りをする場合は1:1の希釈で、通常は1:2.7の希釈で、との指示があります。
2.7の希釈なんて、どうやって測れば良いのか?と疑問に思ってしまうところですが、塗料瓶などにマスキングテープを貼って、そこの部分から10mmのところに印を書き、次にその印から27mmのところに印を書けば希釈は簡単です。
基本的なクリア塗装のやり方は1:1の時と同じでエッジの部分を塗ってから全体塗装を繰り返します。
ただし希釈が多い分、多少の調整は必要なので事前に塗料がつく瞬間の感じを見ながらボタンの押し引きを調整しておきましょう。
それとできれば直前に塗り終えたところに塗料の霧がかからないようにエアブラシの向きを考えながら塗ります。
こういった霧状の塗料がかかってしまうとその部分の艶が無くなってしまいます。
できるだけきれいな塗り上がりが次の研ぎ出しを楽なものにするのです。
今回は薄めのクリアを8回ほど塗り重ねました。
これでクリアの塗装は終了です。
このクリアから完全にシンナー分がなくならないと研ぎ出しができません。
おおよそ2週間の乾燥期間を予定しています。
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