グレイハウンドもいよいよ大詰め。塗装へと進んでいきます。
運用されている機体は非常に少なく(確か30機でしたかね?)機体塗装もワンパターンかと思いきや、少し異なっているのもあったんですね。
サフェーサー
今回ご依頼いただいたのはBuNo. 162176, VRC-30 Det 5, NAF Atsugi, 2011年厚木基地に展開していたVRC-30 Det 5の機体です。
デカールはカラカルデカールのものが送られてきました。
デカールの塗装指示を見るとエンジンナセルはグレー一色、胴体の上下面塗り分けは波状ではなく、微妙な揺らぎのあるほぼ直線となっています。
キネティックの塗装指示では主翼尾翼の下面がグレーの指示ですが、ここはホワイトで間違いない様です。
まずはいつもの下塗り。
黒サフで全体を塗装後1500番のスポンジやすりで研磨。その後フラットホワイトをエアブラシで吹いていつもの模様を描き込んでいきました。
今回はスポンジマスキングはしないでフリーハンドで描き込んだので、同時にパネルラインのプレシェーディングも残していきます。
機体塗装
白の指示があるところにクレオス316番を塗って、グレーのためのマスキングをしていたらミスっていることに気づきました。
主翼内翼のフラップを短くしたために機体側を伸ばしたのですが、パネルラインを彫り直すのを忘れておりました。塗装後ではありますが元々のパネルラインをグリーンパテで埋めて彫りなおします。
パネルラインの一としては前の方が元々の位置で良いのですが、後ろが5ミリほど外側寄りになります。
このパネルラインで塗り分けるということですね。
前はマスキングシートとしてトレーシングペーパーを使っていましたが、最近はポリ袋をカットしてポリマスカーにして使っています。
レジ袋有料化に伴いポリ袋が近しい存在になってきましたからね。こちらのほうがずっと使いやすいことに気づきました。
胴体上下の塗り分けにはダイソーの粘着タックを使っています。
この粘着タックも前に使った時にビンボー症が出てしまい、塗装作業に使ったものを再利用したのですが全然くっつかなくて、あこりゃ使えないわ。となっていたのですが、今回は新しいのを使いました。
ご覧の様にちゃんとくっついてくれてます。もう今後は粘着タック使い捨ての方向で行きますわ。
塗装作業終了。いつもの様にパネルラインを微妙に塗り残しています。
今回はパネルの重なりを考えたモジュレーションを施したつもりです。あくまでもつもりです。
それにしてもマスキングを剥がす時って塗装は半乾きですから、緊張と快感が伴いますよね。
デカール貼り
大きめなデカールから貼り付けていきます。
カラカルデカールはソフターに対して少し弱めなイメージを受けましたが、使えないわけではなくいつもの様にデカール裏にもマークソフターが使えました。もちろんマークセッターも併用しています。
ただ、その後は綿棒を使うことはできません。筆とドライヤーのみで密着させていきます。
大きめに透明ニスが残るところは事前にカットしておきます。
この様にコピーを機体に貼り付けて位置がずれない様にします。文字の中のニスを剥がす場合はこの状態になってから乾く前にカットしますが、今回は各単語の間のみのカットにしておきます。
ちなみに胴体背面のグレーとホワイト間にある様な細長いデカールは、破損を防ぐためにマテリアルは一切使わないで貼り付けて裏面の水を抜き、ある程度固定してからソフターとセッターを塗っていきドライヤーで固着させます。
デカールを貼り終えたら全体にセミフラットのトップコートを塗って、この後のウェザリングに備えます。
ウェザリング
毎回やり方の異なるウェザリング。今回はどの様な方法を探っていきましょうか。
ご依頼者からウェザリング参考画像も送られていたので、そこそこのウェザリングを施します。
まずは原色を使ってのフィルタリングを油絵具で行いました。
プライムレッド、ウルトラマリンディープ、バーントシェンナ、イエローオーカー、ホワイト、グレーなどを使用。ホワイトとグレーは使わなくてもよかったかもしれません。
油絵具にペインティングオイルを少し混ぜて爪楊枝の先でドットを置いていき、ペトロールで散らしていく方法です。
一瞬後悔する様な状況に陥りますが、この後のオイルウォッシュでいい感じになっていくはずです。
オイルウォッシュはやはり油絵具のアイボリーブラックとバーントアンバーをペトロールで薄めて行っています。
基本はパネルライン周りに塗りつけて、ペトロールで周りに広げたり逆にパネルライン周りに寄せたりして、気に入った汚れにしていきます。
汚しすぎたところはペトロールを染ませた平筆で擦りとって、余分な汚れは筆に吸い取らせましょう。
ひどく汚れているところなどはまとまった汚れを作ってしまい、ぼかし筆にペトロールをとって周りから汚れを消していく「消去法」をとっています。
最後に乾いた平筆で擦ってやれば自然な感じに馴染んでくれるでしょう。
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